
①のきっかけ編 では、バリスタになったきっかけとなった出会いから20歳からカフェの師匠との出会いについて話しました。
こちらでは、師匠が店舗経営を始めた当初から成長するまでの成功事例をご紹介していきます。
バリスタ修行した時のスパルタオーナーの話
まずはじめに、オーナーについて簡単に。
元ボクサーのオーナーは26歳の時、当時人気絶頂だった神戸のイタリアンダイニングから独立し、ひょんな出会いから今の心斎橋の経営を始めました。
元々はガレージだった部分を改装して10坪もないところから始まりました。
最初は全然お客様がつかず、夜通し営業したりして体調も崩し、気がついたら病院のベッドだったということもあったそうです。
何が足りなかったのか考えた結果、オーナーがとった行動は次の通り。
- 積極的に店の前を通る人に挨拶する
- エスプレッソ専門店のイメージを高める
この2点でした。
A.積極的に店の前を通る人に挨拶する
これは基本中の基本と呼べるかもしれませんが、そもそもどんな良いお店を出したとしても、お客様からしたら大半は見に留まらないものです。
そこで、広範囲に聞こえるように大声でこんにちは〜!!と挨拶していたそうです。
すると予想外なことに、それを面白がって外国人の団体が頻繁に来るようになりました。わざわざ自転車に乗って。
店内は満席で、店外に溢れてもみんなエスプレッソなどを注文したそうです。
挨拶は商売の基本なのだということを改めて教えてもらいました。
B.エスプレッソ専門店のイメージを高める
それまでの店舗経営でなかった感性の部分を磨くことにしたオーナーは、まずどんな店がエスプレッソ専門店なのかを考えました。
そこで、海外のバールを参考に、下記を洗い出しました。
- 海外のバールを調べる
- 店内音楽をロックからジャズに変える
- エスプレッソとラテ・カプチーノを極限まで磨く
・海外のバールを調べる
様々な海外の情報を外国人常連客から集めたそうです。
アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア。全世界の先端カフェ文化を持つ国々の情報を統合した結果、ゴッホの絵画にある「夜のカフェテラス」にインスパイアーされたようです。
夜のカフェテラスの画像
引用元:https://www.museumanote.com/creations/view/5794cef9-f80c-46d0-a556-693131d49af6
そこで早速、照明の変更に着手しました。なんとシャンデリアを店内に導入し、外部にも絵のようなイメージの照明を装着しました。
テラス席も用意し、外の咳が濡れないようにテント部分も購入し設置。外観は見るからに変わりました。
もはや誰もガレージだったと思えないほどのおしゃれな空間となり、外国人が集まっていることも相まって、アーティストやデザイナー、老舗バーのオーナーなどが常連となるに至ったのです。
・店内音楽をロックからジャズに変える
大好きなロックをバンバンにかけていたのだそうですが、途中からジャズに切り替えたんだそうです。
その理由は、バールは落ち着く空間を提供するから。
ホッと一息つく憩いの場を提供するためには、激しい音楽よりジャズの名曲などでシックさを前面に出した方が良いと考えたそうです。
その結果、当時ジャズの感度の高かった年配の方も来店するようになったんだそうです。
・エスプレッソ・カフェラテ・カプチーノのスキルを極限まで磨く
これはそのまま、ひたすら味の研鑽を磨いたそうです。
ひたすら独学で学んだ結果、どこの味も真似できないような複雑で豊かな味のエスプレッソを提供する名店としてすぐ名を馳せるようになりました。
(実際僕も当時のエスプレッソを飲んで弟子入りした経緯があります)
要は、美味すぎたのです。
当時はスターバックスが全盛期だった時代、美味いエスプレッソやラテを求めて全国からマニアが集まる名店となり、店は益々繁盛したそうです。
また、仕事終わりでも立ち寄れる店にするため、アルコールの提供も開始しました。
そこにも他店と違うポイントがありました。
それは、海外に住んでいた外国人常連客が「絶対これを置いた方が良い」というビールを取り扱うことにしたことです。
ハイネケンに始まりラドラー(レモネード割りビール)、ドイツ地方のロンググラスで飲むヴァイツェンなどを導入。
これも大当たりし、夜の営業も大人気に。
夜中でも絶品カプチーノが飲める店、昼から上質な海外ビールを楽しめる店へと成長を遂げるのでした。
まとめ
大事なポイントは、今まで自分が経験してきたことだけではなく、
- 他店の成功事例を明確に分析する
- 顧客の声に耳を傾ける
- 他社がやっていない戦略(メニュー)をチャレンジする
- 自分の店舗の強みを最大限に活かす(立地、アクセス、顧客層、外観、メニュー、品質(味))
これらを忠実に、愚直に実行していった結果、誰もが羨む名店へと成長していったのです。
そして僕のようなファンを虜にし、弟子入りしたいと思わせる、目指すべき指標となったのです。
ちなみに僕が入店して3ヶ月後に史上最年少記録を抜かれました。
今では4店舗を経営する大経営者となったオーナーとは、今でもご飯などご一緒させていただきながら、経営戦略をあーだこーだ話す貴重な機会を頂いています。
この記事が誰かの参考になれれば嬉しいです。
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